
コランダム:色の多様性を持つ宝石
コランダムとは、鋼玉とも呼ばれる鉱物で、その美しい輝きから古代より人々を魅了し、宝石として大切に扱われてきました。この鉱物は、アルミニウムと酸素が結びついた酸化アルミニウム(Al₂O₃)という成分でできており、自然界では六角柱の形をした結晶として発見されます。本来は無色透明ですが、内部に微量の不純物としてクロムや鉄、チタンなどの金属酸化物が含まれることで、赤や青、紫、緑、黄など、虹のように多彩な色を放つようになります。
その硬さはダイヤモンドに次ぐ高い硬度を誇り、研磨剤としても利用されています。また、コランダムは、色の違いによって、ルビーやサファイアといった有名な宝石に分けられます。赤い色を持つものはルビーと呼ばれ、情熱や愛情の象徴として、古くから王冠や装飾品に用いられてきました。一方、青色のものはサファイアと呼ばれ、その深い青色は、冷静さや知性を象徴するものとして、高貴な人々に愛されてきました。このように、コランダムは、その美しさだけでなく、高い硬度や多様な色合いから、様々な用途に利用され、人々の生活に彩りを添えてきました。