真珠の輝きの秘密:『まき』ってなに?
真珠といえば、その上品で奥深い輝きが魅力です。まるで月の光を閉じ込めたかのような、優しく神秘的な輝きは、多くの人を魅了してきました。この輝きの秘密は、真珠の表面を覆う「真珠層」にあります。
真珠層は、アラゴナイトという炭酸カルシウムの微細な結晶が幾重にも重なってできています。それはまるで、薄い板状のレンガを丁寧に積み重ねて作った壁のようです。このアラゴナイトの結晶は、真珠層の表面に対して平行に並んでいるわけではありません。微妙に角度を変えながら、複雑に重なり合っているのです。
光が真珠層に当たると、この複雑な構造によって様々な方向に反射・屈折します。そのため、単一の波長として認識されず、人間の目には虹色のように輝く、複雑で深みのある光沢として映るのです。これが、真珠特有の上品な輝きを生み出す秘密です。
真珠層の厚さは、真珠の大きさや種類によって異なりますが、一般的には0.5ミリメートルほどです。薄い真珠層からは、虹色に輝く光沢が強く見られます。反対に、厚い真珠層を持つ真珠は、重厚感のある落ち着いた輝きを放ちます。このように、真珠の輝きは、真珠層の厚さによっても微妙に変化するのです。