
アセトン検査:真珠の品質を見極める
- アセトン検査とは真珠はその上品な輝きから、宝飾品として古くから愛されてきました。しかし、天然の真珠は全てが均一に美しい光沢を持っているわけではありません。そのため、真珠の美しさを引き出し、価値を高めるために、様々な処理が施されることがあります。その中でも、オイルや樹脂などを真珠に浸透させる「含浸処理」は、真珠の光沢を劇的に向上させる効果があります。一見すると、含浸処理された真珠と天然の美しい真珠を見分けるのは難しいかもしれません。そこで、真珠の専門家が品質を見極める際に用いるのが「アセトン検査」です。アセトンとは、マニキュアの除光液などにも使われている揮発性の高い液体です。このアセトンに真珠を浸し、その後どのような変化が見られるかを観察することで、含浸処理の有無やその程度を判断するのです。具体的には、アセトンに浸した真珠の表面に白濁やひび割れが生じた場合は、含浸処理が施されている可能性が高いと判断されます。これは、真珠に浸透していたオイルや樹脂がアセトンによって溶け出し、真珠の構造が変化してしまうために起こる現象です。アセトン検査は、真珠の真贋を見極めるための重要な検査の一つです。しかし、アセトン検査だけで真珠の品質が全て決まるわけではありません。真珠の大きさや形、色、照りなど、様々な要素を総合的に判断することが大切です。