
鮫肌の魅力:シャグリーンのすべて
鮫肌由来の革と聞くと、聞き慣れない方も多いかもしれません。しかし、「シャグリーン」という名称なら、耳にしたことがあるのではないでしょうか。シャグリーンは、鮫やエイといった海の生き物の革を用いた素材です。主に中国周辺の海域で獲れるこれらの生き物は、独特の凹凸のある硬い表皮を持っています。この表皮を丁寧に鞣してなめし、研磨することで、他に類を見ない美しい模様が浮かび上がります。
鮫肌の革は、古くから世界中で珍重されてきました。日本では、刀の鞘や柄に用いられ、その耐久性の高さから、長く愛用されてきました。西洋でも、17世紀頃から装飾品や家具などに用いられるようになり、その独特の風合いは、多くの人々を魅了してきました。
近年、鮫やエイの乱獲による生態系への影響が懸念され、シャグリーンの使用は減少傾向にあります。しかし、その美しさと希少性から、現在でも高級品として扱われており、持続可能な方法で生産されたシャグリーンは、高い価値を認められています。