カット方法

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宝石カットの古典 – カボションの魅力

- カボションカットとは宝石のカット方法には様々な種類がありますが、その中でも「カボションカット」は独特な魅力を持つ技法として知られています。 カボションカットとは、宝石の表面を滑らかでふっくらとしたドーム状に研磨するカット方法です。 その名の由来は、フランス語で「頭」を意味する「caboche」という言葉にあります。丸みを帯びた頭の形が、カボションカットされた宝石の姿と重なることから、この名が付けられたと言われています。カボションカットの魅力は、宝石が本来持っている色や輝きを最大限に引き出す点にあります。 光を反射させる面を作るファセットカットとは異なり、カボションカットは、石の内部からじんわりと光が浮かび上がるような、柔らかく温かみのある輝きが特徴です。まるで月の光のような、神秘的で優しい印象を与えることから、古くから多くの人々に愛されてきました。カボションカットの歴史は、古代文明まで遡ります。 当時はまだ研磨技術が発達していなかったため、原石をそのまま磨いて装飾品としていました。その後、技術の発展と共に様々なカット方法が生まれる中でも、カボションカットは変わらず人々を魅了し続け、現代においても多くのジュエリーに採用されています。
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宝石のカット: 薔薇の蕾を思わせるローズカット

ローズカットとは、宝石を研磨する方法のひとつです。このカットは、宝石の裏側を平らに研磨し、表側をドーム状に研磨することで作られます。ドーム状の表面には、三角形をした小さな面がいくつも並んでおり、中心に向かって高くなるように配置されています。このカットの特徴である、三角形の面がまるでバラの蕾のように見えることから、ローズカットと呼ばれています。 ローズカットは、16世紀頃にヨーロッパで発明され、18世紀まで広く用いられていました。当時のダイヤモンドは、原石の輝きを最大限に引き出すために、ローズカットで研磨されることが多かったようです。カット面が少なく、研磨に高度な技術を必要としないため、ダイヤモンド以外の宝石にもよく使われていました。 ローズカットの宝石は、他のカットと比べて柔らかく、温かみのある輝きが特徴です。現代では、アンティークジュエリーや、個性的なデザインのジュエリーに用いられることが多く、その独特の美しさは、今も多くの人々を魅了し続けています。