
宝石の輝きを引き出す「コンケーブカット」
宝石の美しさを最大限に引き出すカット技法は、長い年月を経て様々な進化を遂げてきました。古くから受け継がれてきた伝統的なカット技法がある一方で、近年は、新しい技術や発想から生まれた革新的なカットも登場し、注目を集めています。その中でも、ひときわ目を引く存在として、「コンケーブカット」が挙げられます。
このコンケーブカットは、その名の通り、宝石の表面に施されるカット面に、くぼみやへこみといった独特な形状が施されているのが特徴です。従来のカットでは、平面あるいは凸面で構成されるものが主流でしたが、コンケーブカットは、あえて凹面を用いることで、光の屈折と反射をより複雑に操り、宝石内部に光を取り込み、奥深い輝きを生み出すことを可能にしました。まるで、吸い込まれるような深みと、角度によって表情を変える神秘的な輝きは、他のカットでは見ることができない、コンケーブカットならではの魅力と言えるでしょう。
宝石のカットは、まさに職人の技術と感性の結晶です。コンケーブカットのように、伝統に縛られずに新しい表現に挑戦する姿勢は、宝石の世界に新たな風を吹き込み、私たちに宝石の更なる魅力を発見させてくれるでしょう。