
日本生まれの癒しの石、スギライト
深く艶やかな紫色をした宝石、スギライト。見る者を惹きつけてやまないこの美しい石は、世界に誇るべき、日本生まれの鉱物です。1942年、穏やかな瀬戸内海の波に抱かれた小さな島、岩城島で、一人の研究者によって発見されました。彼の名は杉健一博士。後にこの石の名前の由来となる、鉱物研究に情熱を注いだ人物です。発見当初は、その希少さゆえに他の鉱物と混同されていましたが、杉博士のたゆまぬ研究と努力によって、スギライトは長い年月を経て、ようやくその真価を認められることとなります。そして1976年、ついに新鉱物として国際鉱物学連合に認定され、発見者の名前にちなんで「スギライト」と命名されました。これは、日本人名のついた唯一の宝石という快挙であり、スギライトの存在は、日本人が鉱物学に貢献した輝かしい証として、ひときわ強い光を放っているのです。