
バッキーボール:賢者の石の輝き
- 形と名称の由来
バッキーボールという不思議な響きの名前は、アメリカの建築家であるバックミンスター・フラー氏が考案した、ジオデシック・ドームという建造物に由来します。このドームは、正五角形と正六角形を組み合わせた、32面体という複雑な構造をしています。
バッキーボールは、このジオデシック・ドームと同じように、正五角形と正六角形が組み合わさってできており、その形はまるでサッカーボールのようです。このことから、バッキーボールは「フラーレン」と呼ばれることもあります。フラーレンとは、フラー氏の功績を称えて名付けられた、この不思議な炭素分子の総称です。
しかし、バッキーボールの歴史は、フラー氏の時代よりも遥か昔に遡るともいわれています。あの有名な万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯をかけて追い求めた「完璧なる多面体」こそ、実はバッキーボールだったという説もあるのです。
完全なまでに均整のとれたその美しさから、バッキーボールは「賢者の石」という別名でも呼ばれてきました。賢者の石は、あらゆる物質を金に変え、不老不死の薬を作り出すことができるとされる伝説上の物質です。それほどまでに、古来よりバッキーボールは、神秘的な力を秘めた存在として、人々の心を惹きつけてきたのです。