
悠久の海の物語、フォシルコーラル
深い海の底で、ひっそりと息づいていた生き物たちの記憶。それが、フォシルコーラルです。はるか昔、まだ恐竜たちが地上を闊歩していた時代、海の中では色とりどりの珊瑚が咲き乱れる、美しい世界が広がっていました。やがて長い年月を経て、その体は石英という鉱物に置き換えられ、石の姿へと生まれ変わりました。
フォシルコーラルの最大の魅力は、その表面に刻まれた模様にあります。まるで菊の花びらを重ねたように見えるものや、さざ波が幾重にも重なり合うように見えるものなど、その表情は実に様々です。これは、かつて珊瑚が海中で生きていた証、成長の過程で刻まれた、唯一無二の模様なのです。
石になった今もなお、そこにはかつての海の記憶が閉じ込められています。手にとってみれば、ひんやりとした感触とともに、太古の海の息吹を感じることができるでしょう。自然の神秘と、悠久の時が織りなす芸術を、あなたの手のひらで感じてみてください。