フラクチュア

記事数:(2)

鑑別

宝石の品質を見分ける:面キズの重要性

宝石の魅力はその眩いばかりの輝きにあります。原石が秘める潜在的な美しさを最大限に引き出し、カットや研磨といった人の手が加わることで、はじめて宝石は世を魅了する輝きを放ちます。しかしながら、この輝きを損なってしまう要因の一つに「面キズ」が存在します。 面キズとは、宝石の表面に生じる傷や欠けのことです。まるで人の肌にできる傷跡のように、宝石にとっても避けては通れない宿命といえるでしょう。肉眼では確認できないほど小さなものから、光を乱反射させて輝きを曇らせてしまうほど大きなものまで、その大きさや深さは様々です。 宝石の種類や硬さによって、面キズのつきやすさは異なります。一般的に、硬度が高い宝石ほど傷がつきにくいと言われています。ダイヤモンドを例に挙げると、モース硬度10という非常に硬い物質であるため、簡単には傷がつきません。しかしながら、だからといって絶対に傷がつかないわけではありません。硬度が高いダイヤモンドであっても、衝撃や圧力が加わることで、面キズが生じてしまうことがあります。 一方、真珠のように硬度の低い宝石は、わずかな摩擦でも簡単に傷がついてしまいます。真珠は、貝殻の成分である炭酸カルシウムで形成されているため、硬度が低く、繊細な宝石です。そのため、他の宝石と触れさせたり、強い衝撃を与えたりしないように注意が必要です。 面キズは、宝石の美しさだけでなく、その価値にも影響を与える可能性があります。特に、大きな面キズや目立つ場所にある面キズは、評価を下げてしまう要因になりかねません。そのため、宝石を扱う際には、丁寧に扱い、面キズがつかないように注意することが大切です。
鑑別

宝石の輝きは個性?フラクチュアの魅力

宝石や鉱物の世界は、その美しい色や輝きだけでなく、壊れ方にもそれぞれの特徴があるのです。私たち人間が一人ひとり違うように、石もまた、たとえ同じ種類であっても、全く同じように割れるということはありません。例えば、水晶のように、ある特定の方向に割れやすい性質を持つものもあれば、そうでないものもあります。割れやすい性質を「へき開」と呼び、その面に沿って割れた面を「へき開面」と呼びます。しかし、この「へき開面」ではなく、衝撃などによって不規則に割れた面のことを「破面」と呼び、この「破面」にも石それぞれの個性が見られるのです。 中には、まるで貝殻のように滑らかな曲線を描いて割れるものもあれば、木片のように繊維質な破面を見せるものもあります。また、ガラスのように鋭く割れるものもあれば、土塊のようにぼろぼろと崩れるものもあります。このような、石の個性とも言える「破面」は、専門家によって「貝殻状」「木繊維状」「ガラス状」「土状」などと表現され、石の種類を見分ける重要な手がかりの一つとなっています。