フローレス

ダイヤモンドの輝きを左右する要素の一つに、「クラリティ」と呼ばれるものがあります。これは、ダイヤモンドの透明度を評価する基準となるものです。そのクラリティにおいて、最高位の評価を受けるのが「フローレス」です。 フローレスとは、10倍の拡大鏡を用いても、ダイヤモンドの内部にも表面にも一切の傷が見られない状態のことを指します。ダイヤモンドは、生成過程で極めて高い圧力と熱を受けるため、内部に不純物が混入したり、表面に傷がついたりすることがほとんどです。しかし、フローレスと評価されたダイヤモンドは、そうした過酷な環境の中でも、傷一つない完璧な状態を保ち続けてきた奇跡の結晶と言えるでしょう。 まさに自然が生み出した芸術品とも言えるフローレスのダイヤモンドは、その希少性から、他のクラリティグレードのダイヤモンドと比べて、非常に高価で取引されます。同じカラット、カット、カラーのダイヤモンドでも、フローレスであるかどうかで、その価値は大きく変わるのです。 フローレスのダイヤモンドは、その透き通るような輝きから、「永遠の愛」や「純粋無垢」の象徴として、婚約指輪や特別な記念日の贈り物として人気があります。