深海の青、ブルートルマリンの魅力
トルマリンといえば、まるで虹を閉じ込めたかのように、赤、緑、青、黄色、ピンク、オレンジなど、実に様々な色を持っていることが大きな特徴です。
その中でも近年特に人気が高まっているのが、海の深い青を思わせるブルートルマリンです。
この神秘的な青色は、トルマリンの結晶構造の中に、ほんのわずかだけ含まれる鉄イオンが深く関係しています。
光がトルマリンの結晶を通過する際に、鉄イオンと作用することで、私たちの目に青色として映るのです。
面白いことに、鉄イオンの量や、他の微量元素の存在によって、ブルートルマリンはさらに多彩な表情を見せてくれます。
例えば、鉄イオンが多いと深い青緑色になり、少ないと明るい空色に近づきます。
また、マンガンが少し混ざると、緑色がかった青色に、クロムが混ざると、灰色がかった青色になります。
まるで、自然が長い時間をかけて、水彩絵の具を溶かし重ねるように、繊細で微妙な色合いを生み出しているかのようです。
ブルートルマリンは、一つとして同じ色合いのものがない、まさに世界に一つだけの宝石と言えるでしょう。