マホガニーオブシディアン:温かさと力強さを秘めた石
黒曜石は、火山活動によって生まれた天然の石です。大地の奥深くから噴き出したマグマが、急激に冷やされることで生まれます。通常、マグマはゆっくりと冷えていく過程で結晶化し、様々な鉱物を含んだ岩石となります。しかし、黒曜石の場合、噴火などで地表に流れ出たマグマが、水や空気によって瞬時に冷やされるため、結晶化する時間がないまま固まってしまいます。 このため、黒曜石は鉱物ではなく、ガラスに近い状態となり、独特の光沢と滑らかな断面を持つようになります。黒曜石という名前の通り、黒色のものが一般的ですが、中にはマホガニーオブシディアンと呼ばれる、赤褐色と黒色が混ざり合った美しい模様を持つ種類もあります。これは、マグマに含まれていた鉄分が、冷えていく過程で酸化し、赤褐色に変化したものです。まるで炎が閉じ込められたかのような、神秘的な美しさを持っています。