レッドファントムクォーツ:神秘の赤富士を秘めた石
水晶の中に、まるで夢や幻を見ているかのような、不思議な模様が現れることがあります。このような水晶は、「幻影水晶」と呼ばれ、古くから多くの人々を魅了してきました。
幻影水晶は、水晶が成長する過程で、一時的に成長が止まり、再び成長を始めるという現象を繰り返すことで生まれます。水晶が成長する過程で、周りの環境が変化することがあります。例えば、温度や圧力の変化、含まれる成分の変化などが挙げられます。このような変化によって、一時的に水晶の成長が止まってしまうことがあるのです。そして、再び環境が変化し、水晶の成長が始まると、以前の水晶の表面に、新たに結晶が積み重なっていくように成長していきます。
この時、一度止まった境目に、ごく小さな気泡や、他の鉱物が入り込むことがあります。そして再び水晶が成長を始めると、これらの気泡や鉱物は、水晶の中に閉じ込められたまま、再び成長を始めた水晶の部分と一体化していきます。このような現象が繰り返されることで、水晶の中に、まるで層のように、幾重にも重なった模様が作られていきます。これが、幻影水晶に見られる、神秘的な模様の正体です。
幻影水晶の模様は、まるでその水晶が辿ってきた歴史を物語っているかのようです。水晶が成長していく中で経験した、様々な出来事が、模様となって刻まれていると考えると、感慨深いものがあります。