厄除けの聖獣、白澤の謎
古代中国には、人々の心に深く根ざした数多くの伝説が語り継がれてきました。その中でも、聖獣「白澤」の伝説は、特に有名です。白澤は、麒麟や鳳凰と並ぶ、瑞獣として崇められてきました。瑞獣とは、この世に良いことが起こる前兆として現れる、めでたい生き物のことです。白澤は、牛に似た体に、白い毛並みをもち、頭に長い角が生えている姿で描かれることが多いようです。そして、最大の特徴は、人語を理解することです。 白澤は、森羅万象、この世のありとあらゆる物事を知り尽くしているとされ、「知恵の象徴」とも言われています。また、病気を治す力も持っているとされ、その姿を描いた絵は、魔除けやお守りとされてきました。白澤は、理想的な政治を行う優れた為政者の時代にのみ姿を現すと言われています。そのため、白澤が現れることは、世の中が平和で、人々が幸せに暮らせる時代が来たことを意味すると考えられてきました。