
和の趣と癒やし: 鞍馬石の魅力
鞍馬石とは、京都の北方に位置する霊山、鞍馬山で採掘される花崗岩の一種です。この石は、長い年月を経て山々が育んだ自然の力強さと、独特の美しさを併せ持っています。最大の特徴は、その味わい深い色合いです。掘り出したばかりの鞍馬石は、灰色がかった色をしていますが、時と共に空気に触れ、含まれる鉄分などの鉱物が酸化することで、徐々に赤みを帯びた茶色へと変化していきます。この、まるで時が止まったかのような静寂さを感じさせる色合いは、「わびさび」の心を大切にする日本文化において、古くから愛されてきました。鞍馬寺の石段や参道など、鞍馬石は、寺院や庭園など、様々な場所でその存在感を示しています。自然の力と時の流れを感じさせる鞍馬石は、見る人の心を和ませ、安らぎを与えてくれるでしょう。