八角形

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エメラルドカット:輝きと気品を兼ね備えた宝石のカット

エメラルドカットとは、宝石を研磨する方法のひとつで、主にエメラルドやダイヤモンドに使われます。このカットは、長方形を基本としつつ、角を落として八角形にするという独特の形が特徴です。カット面は階段状に施され、ブリリアントカットのようにたくさんの小さな面を作るのとは対照的です。ブリリアントカットと比べると、エメラルドカットはキラキラとした輝きは控えめです。しかし、その分、奥深く落ち着いた輝きを放ち、上品で洗練された美しさを感じさせます。また、カット面が広く見えるため、実際の大きさよりも石が大きく見えるという利点もあります。エメラルドカットは、その名の通りエメラルドに最適なカットとして古くから愛されてきました。エメラルドは、内部に傷や内包物を含みやすい宝石です。ブリリアントカットのようにたくさんの面にカットしてしまうと、光が乱反射してしまい、エメラルド本来の美しさが損なわれてしまいます。一方、エメラルドカットは、カット面が少なく、深くカットするため、エメラルドの透明感や色合いを最大限に引き出すことができます。エメラルドカットは、ダイヤモンドにもよく用いられます。ダイヤモンドは、ブリリアントカットにすると、その輝きが最大限に引き出されますが、エメラルドカットにすると、落ち着いた上品な輝きとなり、大人の魅力を演出することができます。近年では、婚約指輪にエメラルドカットのダイヤモンドを選ぶ女性も増えています。
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アッシャーカット:時代を超越した輝き

アッシャーカットは、1902年に初めて世間の目に触れた、八角形が特徴的なダイヤモンドのカット方法です。 その名は、かの有名な宝石商アッシャー兄弟によって世に広められました。 アッシャーカットの魅力は、何と言ってもその独特な輝きです。ダイヤモンドに深く刻まれたファセットと呼ばれる小さな面が、光を複雑に反射し、まるで万華鏡を覗き込んでいるかのような、奥深い煌めきを生み出すのです。 このカットは、1920年代に一世を風靡しました。 第一次世界大戦後の好景気の中、人々は贅沢な暮らしを求め、その象徴としてアッシャーカットのダイヤモンドが選ばれたのです。 当時流行していたアール・デコ様式とも相性が良く、多くの貴婦人たちを虜にしました。 アッシャーカットは、ブリリアントカットのようにキラキラと輝くというよりは、落ち着きのある上品な輝きを放ちます。 その静かで深みのある輝きは、まるで長い年月を経てきた歴史を物語っているかのようです。 現代においても、アッシャーカットはヴィンテージジュエリーとして、あるいはアンティークの雰囲気を持つジュエリーとして人気を博しています。 その時代を超えて愛される魅力は、これからも色褪せることはないでしょう。