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再生琥珀、プレストアンバーの魅力

琥珀と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、太古の樹木から流れ出た樹脂が長い年月を経て化石化し、美しい輝きを放つ宝石だろう。その歴史的価値の高さから、古くから装飾品や美術品として人々に愛されてきた。しかし、琥珀には実は、天然のものと人工的に作られたものの二種類があることはあまり知られていない。 天然の琥珀は、研磨などのごく簡単な加工を施しただけで、自然のままの姿を保っている。研磨のみを施した天然琥珀は「ソリッドアンバー」と呼ばれ、その希少性から愛好家の間で非常に高い価値を認められている。一方、人工的に作られた琥珀は「再生琥珀」と呼ばれ、粉砕した琥珀のかけらを熱と圧力をかけて一つに固めて作られる。再生琥珀は「プレストアンバー」や「アンブロイド」といった別名でも呼ばれている。再生琥珀は、天然のものと比べて安価で手に入りやすく、様々な形に加工できるため、アクセサリーや工芸品などに広く利用されている。 このように、琥珀は天然と再生の二種類に分けられ、それぞれ異なる特徴を持っている。琥珀を選ぶ際には、その由来や特徴を理解した上で、自分の好みに合ったものを選ぶことが大切である。
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懐かしの工芸品?意外と奥深い『ねり物』の世界

『ねり物』、聞き慣れない言葉かもしれませんね。宝石や伝統工芸の世界では、古くから使われてきた言葉ですが、一般的にはあまり知られていません。一体、『ねり物』とは何なのでしょうか? 簡単に言うと、『ねり物』とは、天然石の粉末を膠などで固めて作られた模造品のことです。天然石を砕いた粉末に、接着剤の役割を果たす膠などを混ぜ合わせて型に流し込み、乾燥させて作られます。 『ねり物』は、一見すると本物の天然石と見分けがつかないほど精巧に作られているものもあります。その歴史は古く、古代エジプトの時代から装飾品などに用いられてきました。日本では、勾玉や仏像、刀の鍔などの装飾に使われていたという記録が残っています。 現代において、『ねり物』は安価なアクセサリーの素材として使われることがありますが、伝統的な技術を継承する職人によって作られた高価な『ねり物』も存在します。このように、『ねり物』は、長い歴史を持つ伝統工芸であり、奥深い魅力を秘めた世界なのです。
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ワイルドな魅力!ラフロックの魅力

大地の奥深くで、長い年月をかけて育まれた鉱物。その結晶が持つ、生まれたままの力強さをそのままに感じられるのが原石の魅力です。原石そのまま、あるいは最低限の研磨や加工を施したラフロックは、自然が作り出した造形美をありのままに私たちに見せてくれます。研磨された宝石とは異なり、原石には荒々しさや不揃いさ、そして内包物やクラックと呼ばれる自然の痕跡が残されています。これらの要素は、一見すると欠点のように思えるかもしれません。しかし、原石の魅力は、まさにその一点一点異なる個性にあります。 光を当てると、原石の表面は複雑に輝き、内側から力強いエネルギーが放出されているかのようです。それは、まるで地球の鼓動を感じさせるような、神秘的な体験と言えるでしょう。原石は、研磨された宝石のように均一な美しさはありません。しかし、自然が長い年月をかけて生み出した、唯一無二の存在感があります。その力強さ、荒々しさ、そしてありのままの美しさは、私たちを魅了し、心を揺り動かす力を持っています。まるで、地球の息吹を直接感じているかのような、そんな特別な感覚を、原石は与えてくれるでしょう。