古代エジプト

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技法

ファイアンス:古代から愛される装飾品

- ファイアンスとはファイアンスは、表面に釉薬と呼ばれるガラス質の層を施した陶器や炻器のことを指します。この釉薬によって、光沢や色彩、模様などを加えることができます。ファイアンスの歴史は非常に古く、古代エジプト文明まで遡ります。当時、金や宝石などの貴重な素材は、王族や貴族など限られた人々しか手に入れることができませんでした。そこで、より多くの人々が美しい装飾品を身につけることができるようにと、ファイアンスが誕生しました。ファイアンスは、比較的低温で焼成することができるため、製造が容易であるという特徴があります。そのため、古代エジプトでは、装身具をはじめ、護符、容器、建築装飾など、幅広い用途に用いられました。特に、青色や緑色の釉薬をかけたファイアンスは、ラピスラズリやトルコ石などの宝石を模倣したものとして人気がありました。現代においても、ファイアンスはアクセサリーや工芸品などに用いられ、その独特の風合いが愛されています。古代の人々の想いが込められたファイアンスは、現代に生きる私たちにも、歴史のロマンと美しさを感じさせてくれます。
その他

古代エジプトの聖なる甲虫、スカラベ

- スカラベとは古代エジプトの人々にとって、スカラベは単なる虫ではなく、太陽神ラーと深い関わりを持つ、神聖な存在でした。太陽が東から昇り西に沈むように、フンコロガシは動物の糞を丸めて運び、その中に卵を産みつけます。このことから、古代エジプトの人々は、フンコロガシの中に宿る不思議な力を感じ、太陽の運行と生命の循環、そして復活と再生を象徴するものとして崇拝するようになったのです。スカラベは、古代エジプトの美術品や装飾品に頻繁に登場します。特に、護符として身に着けられることが多く、その力は絶大なものと信じられていました。墓の中にスカラベの形をした護符を置くことで、死者は太陽神ラーのように再び蘇ると考えられていました。また、心臓にスカラベの護符を置くことで、死後の審判において真実を語ることができるとも信じられていました。現代においても、スカラベは再生や復活の象徴として人気があり、アクセサリーや置物など、様々な形で愛されています。古代エジプトの人々の心に深く刻まれたスカラベへの畏敬の念は、時を超えて現代にまで受け継がれていると言えるでしょう。