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宇宙の語り部、コンドライト

「コンドライト」という言葉を聞いたことはありますか? 隕石の中でも、「球粒隕石」と呼ばれるものがコンドライトです。この石は、太陽系が誕生した頃の記憶を、しっかりとその身に刻んでいる特別な存在なのです。 今から約46億年前、宇宙空間には塵やガスが渦巻いていました。その塵は、長い時間をかけて集まり、熱と圧力によって溶け合い、固まって惑星や、私たちが住む地球になりました。そして、惑星や地球が作られる際に取り残された塵の粒が、溶けて固まったものがコンドライトなのです。 コンドライトを手に取ってみると、小さな粒がたくさん詰まっているのがわかります。この粒は「コンドリュール」と呼ばれ、太陽系誕生の初期に、宇宙空間で溶けて固まったものと考えられています。 つまり、コンドライトは、太陽系が生まれたその瞬間を目撃し、その一部となった貴重なタイムカプセルのようなものなのです。地球上では決して作ることのできない、宇宙からの贈り物。それがコンドライトなのです。
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宇宙からの贈り物 ギベオンの魅力

- ギベオンとはギベオンは、はるか彼方の宇宙から地球に落ちてきた鉄隕石です。その名前の由来は、アフリカ大陸にあるナミビア共和国のギベオンという場所で発見されたことに由来します。ギベオンは、鉄とニッケルを主成分としていますが、その最大の特徴は、表面に現れる美しい模様、「ウィドマンシュテッテン構造」にあります。ウィドマンシュテッテン構造は、ギベオンの断面を研磨し、硝酸で処理することによって浮かび上がってきます。まるで雪の結晶のように規則正しい幾何学模様は、自然の神秘を感じさせる美しさです。この不思議な模様は、隕石が宇宙空間を漂う長い年月をかけて、ゆっくりと冷えていく過程で、鉄とニッケルの成分が分離し、結晶化することで形成されたと考えられています。 気の遠くなるような時間スケールで進行するこの現象は、人の手によって再現することは不可能とされており、まさに宇宙からの贈り物といえるでしょう。ギベオンは、その希少性と美しさから、古くから人々に珍重されてきました。現代では、アクセサリーとして加工されることが多く、ペンダントやリングなどに用いられています。宇宙のエネルギーを秘めた神秘的な模様を持つギベオンは、身に着ける人に特別な力を与えてくれると信じられています。
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隕石と宝石:宇宙からの贈り物

夜空を駆け抜ける、流れ星。多くの人が願いを込めるその光は、宇宙からやってきた小さな塵が、地球の大気との摩擦で燃え尽きる際に放つ輝きです。一方、隕石も宇宙からの訪問者ですが、流れ星とは異なる運命をたどります。流れ星よりも大きく、燃え尽きずに地球へと落下してくる天体なのです。 隕石の故郷は、広大な宇宙のあちこちに存在します。かつて太陽系を形成していた塵やガスが集まってできた小惑星、氷と塵でできた彗星、さらには私たちの住む地球の兄弟星である月や火星から、長い旅を経てやってきたものもあります。 これらの天体の一部が、宇宙空間を漂う中で、地球の重力に捕らえられ、地上へと落下してきます。そのほとんどは大気中で燃え尽きてしまいますが、中には地上まで形を残すものもあります。 地上に落下した隕石は、宇宙からの貴重なメッセージを運んできます。それは、太陽系の歴史や、生命の起源を探るための重要な手がかりとなるのです。