宝石の種類

記事数:(3)

その他

多彩な輝きを放つトルマリン

トルマリンは、その名の由来ともなっているシンハラ語の「トゥーラマリ(tura mali)」のように、まさに「混ぜ合わされた色の石」と呼ぶにふさわしい、多彩な色合いが魅力の宝石です。 トルマリンは、まるで色の魔法使いのように、実に様々な表情を見せてくれます。 夜空に輝く星屑を散りばめたような深い青色のインディゴライトトルマリン、燃え上がる炎のように鮮やかな赤色のルベライトトルマリン、朝露に濡れた草原を思わせる爽やかな緑色のグリーントルマリンなど、色の名前を挙げればきりがありません。 さらに、一つの石の中に複数の色が織りなすように混ざり合った、バイカラートルマリンやウォーターメロントルマリンなども存在します。 虹の七色はもちろんのこと、ピンク、紫、黄色、オレンジ、茶色、黒、無色透明など、トルマリンは色の可能性を無限に広げてくれます。 色の魔法使いトルマリンは、身に着ける人の個性や魅力を引き出し、毎日を鮮やかに彩ってくれるでしょう。
鑑別

宝石の真偽を見極める「鑑別」

きらきらと光を放つ美しい宝石。その美しさに心を奪われ、身につけると気分が高揚する人も多いのではないでしょうか。しかし、宝石の世界は深く、その輝きの裏には、人工的な加工や偽物が存在するのも事実です。そこで大切になるのが「鑑別」です。「鑑別」とは、宝石の種類や本物かどうか、加工の有無などを科学的に調べ、その石が本来持っている姿を明らかにする作業です。宝石の専門家である鑑別士は、豊富な知識と高度な技術、そして特殊な機器を使って、一つ一つの宝石と真剣に向き合います。肉眼では見えない宝石内部の秘密を解き明かし、その価値を評価することで、買う人や持つ人に安心と信頼を与える大切な役割を担っているのです。 たとえば、同じように赤く輝くルビーの中には、加熱処理によって本来の色を引き出したものもあれば、全く別の種類の赤い石がルビーとして売られている場合もあります。鑑別士は、顕微鏡を使って内部構造を観察したり、分光器を使って光を分析したりすることで、人工的な処理の痕跡や、他の鉱物との違いを見抜きます。また、ダイヤモンドのように、天然と人工の違いを見分けるのも鑑別士の重要な仕事です。近年技術が進歩したことで、人工ダイヤモンドは天然のものと見分けがつかないほど精巧に作られています。しかし、わずかな内部構造や光の反応の違いから、鑑別士は正確に見抜くことができるのです。このように、鑑別は宝石の品質と価値を保証するだけでなく、私たちが安心して美しい輝きを楽しむための、なくてはならないプロセスと言えるでしょう。
その他

漆黒の宝石、ジェットの魅力

- ジェットとは漆黒の輝きを放つジェットは、一見すると黒曜石のような鉱物にも見えますが、実は木材が長い年月をかけて変化した、植物由来の宝石です。何百年、何千年もの時を経て、深い海の底で圧縮された木材が、化石化していく過程でジェットへと姿を変えます。その成り立ちから「黒い琥珀」と呼ばれることもあり、琥珀と同様に温かみのある手触りが特徴です。 ジェットは、石炭の一種である褐炭がさらに変化したものであり、厳密には鉱物ではなく鉱物類に分類されます。しかし、その美しい黒色と光沢から、古来より世界各地の人々に愛されてきました。 ジェットと聞いて多くの人がイメージするのは、その名の通り漆黒の色味でしょう。磨けば磨くほど美しい光沢を帯び、アクセサリーとして加工されることも多く、ネックレスやブレスレット、ピアスなど様々な装飾品に用いられています。その深い黒色は、どんな服装にも合わせやすく、上品で落ち着いた印象を与えます。 ジェットは、古代より装飾品だけでなく、魔除けのお護りとしても珍重されてきました。特に、ヨーロッパでは喪に服す際に身に着ける宝石として、ジェット製のアクセサリーが用いられてきました。