宝飾用語

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パーツ

指輪の顔を決める「枠」

指輪を選ぶ際、ダイヤモンドやルビーといった宝石の輝きに目を奪われがちです。しかし、指輪の印象を大きく左右する「枠」にも注目してみましょう。「枠」とは、宝石を除いた金属部分全体を指します。宝石を留める台座や指を通す輪の部分など、細かな部分まで様々なデザインが施されています。 同じ宝石であっても、枠のデザインによって全く異なる表情を見せてくれます。例えば、華奢で繊細なデザインの枠は、宝石の輝きをより一層引き立て、上品で可憐な印象を与えます。一方、太く存在感のあるデザインの枠は、宝石に力強さを加え、スタイリッシュでモダンな印象を与えます。 さらに、枠の素材によっても印象は変わります。プラチナは、その白く輝く光沢が、宝石の透明感を際立たせ、気品ある雰囲気を演出します。一方、ゴールドは、温かみのある色味で、華やかで豪華な印象を与えます。 このように、枠のデザインや素材によって、指輪の印象は大きく変化します。指輪を選ぶ際には、宝石だけでなく、枠にも注目し、自分自身の好みに合った、世界に一つだけの特別な指輪を見つけてください。
その他

宝飾業界の共通語?「ネット」の意味とは

- 宝飾業界で使われる「ネット」宝飾業界で働く人なら、日常的に耳にする「ネット」という言葉。多くの人がインターネットを思い浮かべるかもしれませんが、この業界では全く異なる意味で使われています。宝石や貴金属の世界において、「ネット」は価格、特に卸売価格を指す、とても重要な言葉なのです。宝飾品の取引は、一般的に「メーカー」→「卸業者」→「小売店」→「消費者」という流れで行われます。それぞれの段階で、商品には利益が上乗せされていきます。「ネット」は、この過程における卸売価格を指し、メーカーが卸業者に提示する価格を意味します。例えば、「このダイヤモンドのネットは100万円」という場合、メーカーが卸業者に100万円で販売していることを示しています。卸業者は、このダイヤモンドに利益を上乗せして小売店に販売し、さらに小売店も利益を上乗せして消費者に販売します。「ネット」という言葉が使われるのには、取引の透明性を高める目的があります。メーカーと卸業者の間で価格の基準を明確にすることで、スムーズな取引を可能にしているのです。宝飾業界では、「ネット+α」といった表現が使われることもあります。これは、ネット価格に、品質やデザインなどの付加価値を加味した価格設定を意味します。このように、「ネット」は宝飾業界の価格体系を理解する上で欠かせない用語です。インターネットとは全く異なる意味を持つことを覚えておきましょう。
技法

ブラックアンティーク:時を超えた美しさ

- ブラックアンティークとはブラックアンティークとは、主に金製品に見られる、黒く落ち着いた色合いを人工的に作り出す技法のことを指します。これは、金の表面に硫化カリウムなどの薬品を用いて化学反応を起こし、表面に硫化銀の皮膜を生成することで実現されます。この皮膜は、単なる塗装とは異なり、金の表面と一体化しているため、剥がれにくく、長くその美しさを保つという特徴があります。ブラックアンティークが施された金製品は、新品でありながらも、まるで長い年月を経てきたアンティークのような、独特の重厚感を持ち合わせています。鈍く黒く光るその様は、見る者に落ち着きや風格を感じさせ、近年、多くの人の心を掴んで離しません。特に、ブラックアンティークは、男性用の指輪やネックレス、ブレスレットなどに多く用いられます。男性的な力強さや渋さを表現するのに最適な技法と言えるでしょう。また、近年では、女性用のアクセサリーにも取り入れられるなど、その人気はますます高まりを見せています。ブラックアンティークは、新しいものと古いもの、相反する二つの要素を兼ね備えた魅力的な技法と言えるでしょう。