宝石の輝きのひみつ:分散
虹色の輝き透き通った宝石を眺めていると、その輝きの中に虹のような色のきらめきを見つけることがあります。まるで、小さな虹が宝石の中に閉じ込められているかのようです。この美しい現象は、ただの光の反射ではなく、「分散」と呼ばれる光の作用によって生まれます。光は、私たちの目に見える色、つまり赤、橙、黄、緑、青、藍、紫のすべての色が混ざり合ったものです。そして、透明な宝石は、プリズムのように光を屈折させる力を持っています。光が宝石に入るとき、その角度によって屈折の度合いが異なり、それぞれの色の光が異なる方向へ進んでいきます。この結果、白い光が宝石の中で虹のように分かれ、色の帯となって私たちの目に届きます。これが、宝石の輝きに虹色のきらめきを与える「分散」という現象です。分散の強さは宝石の種類によって異なり、ダイヤモンドのように分散が強い宝石は、より鮮やかで美しい虹色の輝きを見せるのです。宝石の輝きは、その美しさだけでなく、光の不思議を私たちに教えてくれます。次に宝石を目にする機会があれば、ぜひその輝きの中に隠された虹を探してみて下さい。