
フィレンツェ仕上げ:宝石に施す格子模様
宝石をより美しく輝かせるために、様々な工夫が凝らされています。その一つに、フィレンツェ仕上げと呼ばれる技法があります。これは、主に宝石を支える金属部分の表面に、直接模様を刻み込む技法です。
フィレンツェ仕上げの特徴は、その名の通り、イタリアのフィレンツェで古くから伝わる伝統的な技法であることです。職人が一つ一つ丁寧に、金属の表面に格子状の模様を刻んでいきます。この模様は、単に表面を削るのではなく、深く彫り込むように刻まれるため、独特の風合いを生み出します。
ブラシで磨いたような滑らかな表面に比べて、フィレンツェ仕上げの表面は、粗く凹凸があります。そのため、光が様々な方向に反射し、深みのある輝きを放ちます。また、その独特の風合いは、高級感と重厚感を演出し、宝石そのものの美しさをより一層引き立てます。近年、このフィレンツェ仕上げは、その美しさと希少性から、世界中で注目を集めています。