
宝石の輝きは個性?フラクチュアの魅力
宝石や鉱物の世界は、その美しい色や輝きだけでなく、壊れ方にもそれぞれの特徴があるのです。私たち人間が一人ひとり違うように、石もまた、たとえ同じ種類であっても、全く同じように割れるということはありません。例えば、水晶のように、ある特定の方向に割れやすい性質を持つものもあれば、そうでないものもあります。割れやすい性質を「へき開」と呼び、その面に沿って割れた面を「へき開面」と呼びます。しかし、この「へき開面」ではなく、衝撃などによって不規則に割れた面のことを「破面」と呼び、この「破面」にも石それぞれの個性が見られるのです。 中には、まるで貝殻のように滑らかな曲線を描いて割れるものもあれば、木片のように繊維質な破面を見せるものもあります。また、ガラスのように鋭く割れるものもあれば、土塊のようにぼろぼろと崩れるものもあります。このような、石の個性とも言える「破面」は、専門家によって「貝殻状」「木繊維状」「ガラス状」「土状」などと表現され、石の種類を見分ける重要な手がかりの一つとなっています。