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宝石のガードル:輝きを支える縁

宝石をカットする際に、よく耳にする言葉の一つに「ガードル」があります。ガードルとは、宝石を横から見たときに、クラウン(上部)とパビリオン(下部)を分ける線のことです。宝石の外周部分を指し、指輪などにセットする際に金属の爪が掴む部分にあたります。まるで、人の体でいう「ウエストライン」のような部分と言えるでしょう。 ガードルの形状は、丸みを帯びたものから角ばったものまで様々です。また、厚さも宝石によって異なり、厚いものから薄いものまであります。ガードルの形状や厚さは、宝石の輝きや耐久性に大きく影響を与えます。 例えば、ガードルが厚いと、宝石はより頑丈になります。しかし、厚すぎると光が内部に十分に入らず、輝きが損なわれる可能性があります。逆に、ガードルが薄すぎると、宝石は割れやすくなります。 このように、ガードルは宝石の美しさ、そして耐久性を左右する重要な要素の一つです。宝石を選ぶ際には、ガードルの形状や厚さにも注目してみましょう。
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宝石の輝きは個性?フラクチュアの魅力

宝石や鉱物の世界は、その美しい色や輝きだけでなく、壊れ方にもそれぞれの特徴があるのです。私たち人間が一人ひとり違うように、石もまた、たとえ同じ種類であっても、全く同じように割れるということはありません。例えば、水晶のように、ある特定の方向に割れやすい性質を持つものもあれば、そうでないものもあります。割れやすい性質を「へき開」と呼び、その面に沿って割れた面を「へき開面」と呼びます。しかし、この「へき開面」ではなく、衝撃などによって不規則に割れた面のことを「破面」と呼び、この「破面」にも石それぞれの個性が見られるのです。 中には、まるで貝殻のように滑らかな曲線を描いて割れるものもあれば、木片のように繊維質な破面を見せるものもあります。また、ガラスのように鋭く割れるものもあれば、土塊のようにぼろぼろと崩れるものもあります。このような、石の個性とも言える「破面」は、専門家によって「貝殻状」「木繊維状」「ガラス状」「土状」などと表現され、石の種類を見分ける重要な手がかりの一つとなっています。
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宝石の値段表示、”ガイ”と”代金”の違いとは?

きらきらと輝く宝石を手に入れたい!そう思った時、誰もがその価値が気になりますよね。お店やインターネットで値段を見ると、「1カラットあたりいくら」の他に「代金」という言葉が使われていることがあります。「代金」っていったい何のこと?「がい」との違いは何?そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 宝石の「代金」とは、その宝石そのものの価格のことを指します。宝石の大きさや品質、そしてデザインなどが考慮されて、その石の値段が決まります。一方、「がい」は「加工賃」や「工賃」と呼ばれることもあり、宝石を指輪やネックレスなどの形に加工するための職人さんの技術に対する費用を指します。 宝石の購入価格には、「代金」と「がい」の両方が含まれている場合もあれば、「代金」のみ、あるいは「がい」のみで表示されている場合もあります。そのため、購入する際には、何が含まれているのかをしっかりと確認することが重要です。特に、インターネットで購入する場合は、注意が必要です。 宝石は、その輝きだけでなく、長い歴史や物語を秘めています。購入の際には、価格だけでなく、その背景や職人さんの技術にも思いを馳せて、お気に入りの一品を見つけて下さい。
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宝石の見方:フェイスアップとは?

きらびやかな宝石をより深く味わうためには、様々な角度から眺めてみるのが肝要です。宝石は光を浴びて美しい光を放ちますが、見る角度によってその輝きは大きく変わってきます。 例えば、ダイヤモンドの美しい輝きは、熟練の職人による巧みなカットと研磨によって最大限に引き出されます。しかし、その輝きを最大限に堪能するためには、適切な角度から光を当てる必要があるのです。ダイヤモンドのカットは、光を内部で反射させ、七色の輝きを生み出すように計算されています。この輝きは、見る角度によってその表情を変え、見る者を魅了します。 そして、ダイヤモンドだけでなく、ルビーやサファイア、エメラルドなど、他の宝石もまた、見る角度によって様々な顔を見せてくれます。例えば、ルビーは、ある角度からは燃えるような赤色に見えますが、別の角度からは深みのある紫色に見えることがあります。このように、宝石の輝きは一様ではなく、見る角度によって千変万化するのです。 つまり、宝石の真の美しさを楽しむためには、一つの角度からだけでなく、様々な角度から観察する必要があると言えるでしょう。ぜひ、お手持ちの宝石を手に取り、様々な角度から光を当て、その輝きの変化を楽しんでみてください。きっと、今まで気づかなかった美しさに気づくことができるはずです。
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宝石カットの古典 – カボションの魅力

- カボションカットとは宝石のカット方法には様々な種類がありますが、その中でも「カボションカット」は独特な魅力を持つ技法として知られています。 カボションカットとは、宝石の表面を滑らかでふっくらとしたドーム状に研磨するカット方法です。 その名の由来は、フランス語で「頭」を意味する「caboche」という言葉にあります。丸みを帯びた頭の形が、カボションカットされた宝石の姿と重なることから、この名が付けられたと言われています。カボションカットの魅力は、宝石が本来持っている色や輝きを最大限に引き出す点にあります。 光を反射させる面を作るファセットカットとは異なり、カボションカットは、石の内部からじんわりと光が浮かび上がるような、柔らかく温かみのある輝きが特徴です。まるで月の光のような、神秘的で優しい印象を与えることから、古くから多くの人々に愛されてきました。カボションカットの歴史は、古代文明まで遡ります。 当時はまだ研磨技術が発達していなかったため、原石をそのまま磨いて装飾品としていました。その後、技術の発展と共に様々なカット方法が生まれる中でも、カボションカットは変わらず人々を魅了し続け、現代においても多くのジュエリーに採用されています。
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宝石販売の基礎知識:上代と下代

きらびやかな輝きで私たちを魅了する宝石。いざ購入しようとした時、その価格の仕組みについて疑問に思ったことはありませんか?実は、宝石の世界には「上代」と「下代」と呼ばれる、二つの価格が存在します。 まず「上代」とは、いわば宝石のカタログ価格のようなものです。消費者向けのパンフレットやウェブサイトに掲載されている価格が、この上代にあたります。これは宝石の種類や品質、大きさなどに応じて決められており、いわば基準となる価格と言えます。 一方、「下代」は、実際に宝石を仕入れる際に業者間で取引される価格です。一般的には、上代よりも安く設定されています。なぜなら、宝石は原石の採掘から研磨、流通といった多くの工程を経て消費者に届くため、それぞれの段階で費用が発生するからです。そして、この上代と下代の差額が、宝石販売店の利益となります。 宝石の価格を理解するためには、この二つの価格の存在を知っておくことが大切です。それぞれの価格の仕組みを知ることで、より安心して宝石選びを楽しむことができるでしょう。
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宝飾業界の共通語?「ネット」の意味とは

- 宝飾業界で使われる「ネット」宝飾業界で働く人なら、日常的に耳にする「ネット」という言葉。多くの人がインターネットを思い浮かべるかもしれませんが、この業界では全く異なる意味で使われています。宝石や貴金属の世界において、「ネット」は価格、特に卸売価格を指す、とても重要な言葉なのです。宝飾品の取引は、一般的に「メーカー」→「卸業者」→「小売店」→「消費者」という流れで行われます。それぞれの段階で、商品には利益が上乗せされていきます。「ネット」は、この過程における卸売価格を指し、メーカーが卸業者に提示する価格を意味します。例えば、「このダイヤモンドのネットは100万円」という場合、メーカーが卸業者に100万円で販売していることを示しています。卸業者は、このダイヤモンドに利益を上乗せして小売店に販売し、さらに小売店も利益を上乗せして消費者に販売します。「ネット」という言葉が使われるのには、取引の透明性を高める目的があります。メーカーと卸業者の間で価格の基準を明確にすることで、スムーズな取引を可能にしているのです。宝飾業界では、「ネット+α」といった表現が使われることもあります。これは、ネット価格に、品質やデザインなどの付加価値を加味した価格設定を意味します。このように、「ネット」は宝飾業界の価格体系を理解する上で欠かせない用語です。インターネットとは全く異なる意味を持つことを覚えておきましょう。
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ダイヤモンドのテンパーってなに?

きらびやかな輝きで人々を魅了するダイヤモンド。その重さを表す単位として「カラット」が使われることはよく知られていますが、宝石の世界では、さらに細かい単位が使われることがあります。それが「テンパー」と呼ばれる単位です。 ダイヤモンドの重さを表す「1カラット」は、0.2グラムに相当します。これは、イナゴマメの豆1粒とほぼ同じ重さにあたります。そして、この1カラットを100分の1に分割した単位が「テンパー」です。つまり、「1カラット=100テンパー」ということになります。 ダイヤモンドは、わずかな重さの差であっても、その輝きや価値に大きな影響を与えることがあります。例えば、0.99カラットのダイヤモンドと1.00カラットのダイヤモンドでは、見た目の大きさはほとんど変わりませんが、価格には大きな差が生じることがあります。 このように、ダイヤモンドの輝きは、その大きさやカットの仕方によって大きく変化します。そして、「テンパー」という細かい単位を用いることで、ダイヤモンドの重さをより正確に測り、その価値を正しく評価することができるのです。
ダイヤモンド関連

輝きの要!ダイヤモンドのテーブル径

ダイヤモンドといえば、誰もがその美しい輝きを思い浮かべるでしょう。宝石の王様とも呼ばれるダイヤモンドの輝きは、単なる素材の美しさだけによるものではありません。複雑なカットが施されることによって、あのまばゆいばかりの輝きが生まれているのです。 ダイヤモンドの輝きは、光が複雑に反射することで生まれます。ダイヤモンドに入射した光は、その内部で何度も反射を繰り返します。そして、さまざまな方向へ光が分散されていくことで、私たちを魅了する輝きが生み出されるのです。ダイヤモンドのカットはこの光の旅路を計算し尽くしてデザインされており、カットの良し悪しがダイヤモンドの輝きを大きく左右すると言っても過言ではありません。 ダイヤモンドの輝きを決める要素は数多くありますが、特に「テーブル径」は重要な要素の一つです。テーブル径とは、ダイヤモンドの最も広い部分である上面の直径のことです。テーブル径が大きすぎると、光がダイヤモンドを通り抜けてしまい、輝きが減少してしまいます。反対に、小さすぎると光が十分に反射せず、暗く見えてしまいます。美しく輝くダイヤモンドには、光を最大限に活かす、緻密に計算された最適なテーブル径が存在するのです。
ダイヤモンド関連

ダイヤモンドのビアディング:輝きを最大限に引き出す職人技

ダイヤモンドといえば、誰もがその美しい輝きを思い浮かべるでしょう。宝石の王様とも呼ばれるダイヤモンドの輝きは、一体どのようにして生まれるのでしょうか? ダイヤモンドの輝きは、光が複雑に反射・屈折することで生まれます。原石の状態では、ダイヤモンドは輝きを放ちません。ダイヤモンドの潜在能力を引き出し、まばゆい輝きを生み出すためには、熟練の職人によるカットや研磨といった高度な技術が必要不可欠です。 中でも「ビアディング」と呼ばれる技術は、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すために非常に重要な役割を担っています。ビアディングとは、ダイヤモンドのガードルと呼ばれる部分に、ごく小さな facets(面)を連続して施すことで、光の反射を調整する繊細な職人技です。 ビアディングが施されたダイヤモンドは、光をより効率的に反射し、虹色にきらめく「ファイア」と呼ばれる輝きを生み出します。ダイヤモンドの輝きは、単にカットの仕方だけでなく、このような緻密な技術の積み重ねによって生まれているのです。