香り

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癒やし

神秘の香り ── 白檀の魅力

白檀と聞いて、その奥深い香りを思い浮かべられる方は多いのではないでしょうか。白檀は、ビャクダン科の常緑樹から採取される貴重な香木です。 原産地はインドで、古くから宗教儀式や瞑想など、神聖な場面で焚かれてきました。その深く甘い香りは、人々の心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらすとされ、精神的な安定をもたらすものとして大切にされてきました。 白檀の香りは、単に良い香りを放つだけではありません。 古くから防虫効果や殺菌作用があることも知られており、虫除け線香や衣類の防虫剤として利用されてきました。また、その薬効にも注目が集まり、漢方薬やアーユルヴェーダなど、伝統医学にも広く用いられてきました。 白檀の精油は、高価ではありますが、その深くまろやかな香りは、心を安らぎで満たし、質の高い睡眠を誘う効果も期待できます。 近年、白檀の乱伐や環境破壊が問題となっており、持続可能な方法で白檀を保護していくことが求められています。
その他

魅惑の香りカプセル:ポマンダーの歴史と魅力

- 香りカプセル、ポマンダーとは?ポマンダー、それは現代でいう香水やアロマの役割を担っていた、中世ヨーロッパで流行した香りを楽しむための小さな容器です。その名前の由来は、フランス語で「琥珀の林檎」を意味する「pomme d'ambre」から来ています。その名の通り、まるで美味しそうな林檎や卵のような球状や卵型の他に、可愛らしいハート型など、様々な形で作られていました。素材も様々で、金や銀、象牙といった高価なものから、木やガラスなど、比較的手に入りやすいものまで、様々な素材が使われていました。 ポマンダーの中には、当時貴重とされていたムスクやシベット、アンバーグリスといった動物性の香料や、花の香り成分を抽出したオイルなどを混ぜ合わせた、高貴で複雑な香りが詰められていました。人々はそれを首から下げたり、ベルトにつけたり、あるいは、ただ部屋に置いておくだけでも、その豊かな香りを常に楽しむことができたのです。 現代のように入浴の習慣が根付いていなかった時代、ポマンダーは身だしなみを整え、周囲に良い香りを漂わせるための、大切な役割を担っていたと言えるでしょう。