
バッファローカットの魅力
宝石の輝きを引き出すカットには、古くから受け継がれてきた様々な種類が存在します。その中でも「バッファローカット」は、二つの伝統的なカットを融合させた、他に類を見ない独特の美しさを湛えています。まるで水牛の背のように緩やかに丸みを帯びた表面は、カボションカットと呼ばれる技法によって生み出されます。滑らかで艶やかなドーム状のフォルムは、宝石が本来持つ深みのある色合いを最大限に引き出し、奥深い輝きを放ちます。一方、宝石の裏側、パビリオンと呼ばれる底部には、ファセットカットと呼ばれる幾何学的なカットが施されます。複数の facets=小面 が光を複雑に反射させることで、まばゆい煌めきが生まれます。静寂の中に秘められた力強さを思わせるカボションカットと、華やかで洗練された輝きを放つファセットカット。一見相反する二つの要素が、バッファローカットという一つの形の中で見事に調和することで、他に比肩なき魅力が生まれます。伝統と革新が織りなすバッファローカットは、まさに宝石の新たな可能性を切り開く、革新的なカットと言えるでしょう。