漆黒の宝石、ジェットの魅力
- ジェットとは漆黒の輝きを放つジェットは、一見すると黒曜石のような鉱物にも見えますが、実は木材が長い年月をかけて変化した、植物由来の宝石です。何百年、何千年もの時を経て、深い海の底で圧縮された木材が、化石化していく過程でジェットへと姿を変えます。その成り立ちから「黒い琥珀」と呼ばれることもあり、琥珀と同様に温かみのある手触りが特徴です。
ジェットは、石炭の一種である褐炭がさらに変化したものであり、厳密には鉱物ではなく鉱物類に分類されます。しかし、その美しい黒色と光沢から、古来より世界各地の人々に愛されてきました。
ジェットと聞いて多くの人がイメージするのは、その名の通り漆黒の色味でしょう。磨けば磨くほど美しい光沢を帯び、アクセサリーとして加工されることも多く、ネックレスやブレスレット、ピアスなど様々な装飾品に用いられています。その深い黒色は、どんな服装にも合わせやすく、上品で落ち着いた印象を与えます。
ジェットは、古代より装飾品だけでなく、魔除けのお護りとしても珍重されてきました。特に、ヨーロッパでは喪に服す際に身に着ける宝石として、ジェット製のアクセサリーが用いられてきました。