「ね」

記事数:(2)

その他

宝飾業界の共通語?「ネット」の意味とは

- 宝飾業界で使われる「ネット」宝飾業界で働く人なら、日常的に耳にする「ネット」という言葉。多くの人がインターネットを思い浮かべるかもしれませんが、この業界では全く異なる意味で使われています。宝石や貴金属の世界において、「ネット」は価格、特に卸売価格を指す、とても重要な言葉なのです。宝飾品の取引は、一般的に「メーカー」→「卸業者」→「小売店」→「消費者」という流れで行われます。それぞれの段階で、商品には利益が上乗せされていきます。「ネット」は、この過程における卸売価格を指し、メーカーが卸業者に提示する価格を意味します。例えば、「このダイヤモンドのネットは100万円」という場合、メーカーが卸業者に100万円で販売していることを示しています。卸業者は、このダイヤモンドに利益を上乗せして小売店に販売し、さらに小売店も利益を上乗せして消費者に販売します。「ネット」という言葉が使われるのには、取引の透明性を高める目的があります。メーカーと卸業者の間で価格の基準を明確にすることで、スムーズな取引を可能にしているのです。宝飾業界では、「ネット+α」といった表現が使われることもあります。これは、ネット価格に、品質やデザインなどの付加価値を加味した価格設定を意味します。このように、「ネット」は宝飾業界の価格体系を理解する上で欠かせない用語です。インターネットとは全く異なる意味を持つことを覚えておきましょう。
技法

懐かしの工芸品?意外と奥深い『ねり物』の世界

『ねり物』、聞き慣れない言葉かもしれませんね。宝石や伝統工芸の世界では、古くから使われてきた言葉ですが、一般的にはあまり知られていません。一体、『ねり物』とは何なのでしょうか? 簡単に言うと、『ねり物』とは、天然石の粉末を膠などで固めて作られた模造品のことです。天然石を砕いた粉末に、接着剤の役割を果たす膠などを混ぜ合わせて型に流し込み、乾燥させて作られます。 『ねり物』は、一見すると本物の天然石と見分けがつかないほど精巧に作られているものもあります。その歴史は古く、古代エジプトの時代から装飾品などに用いられてきました。日本では、勾玉や仏像、刀の鍔などの装飾に使われていたという記録が残っています。 現代において、『ねり物』は安価なアクセサリーの素材として使われることがありますが、伝統的な技術を継承する職人によって作られた高価な『ねり物』も存在します。このように、『ねり物』は、長い歴史を持つ伝統工芸であり、奥深い魅力を秘めた世界なのです。