錫:錆から守る万能な金属
錫(すず)は、元素記号Snで表され、原子番号は50番の金属です。美しい銀白色の光沢をもち、見た目の美しさから装飾品などにも用いられます。錫は展延性に優れているという特徴があります。展延性とは、金属を叩いたり、伸ばしたりすることで、薄く広げたり、糸のように細長く伸ばしたりできる性質のことです。この性質のおかげで、錫は様々な形に加工することができ、古くから人類にとって欠かせない金属として、広く利用されてきました。
錫は融点が約232度と金属の中では低い点も大きな特徴です。この低い融点は、錫を加工しやすくするだけでなく、他の金属と混ぜ合わせて合金を作る際にも役立ちます。代表的な合金として、銅と錫を混ぜ合わせた青銅や、鉛と錫を混ぜ合わせたはんだなどが挙げられます。青銅は硬度が高く、武器や道具の素材として古くから利用されてきました。はんだは、その低い融点を利用して、電子部品の接合など、様々な分野で利用されています。
このように、錫は見た目の美しさだけでなく、優れた特性を持つ金属です。その特性を活かして、現代でも様々な分野で活躍しています。