
宝石のカット: 薔薇の蕾を思わせるローズカット
ローズカットとは、宝石を研磨する方法のひとつです。このカットは、宝石の裏側を平らに研磨し、表側をドーム状に研磨することで作られます。ドーム状の表面には、三角形をした小さな面がいくつも並んでおり、中心に向かって高くなるように配置されています。このカットの特徴である、三角形の面がまるでバラの蕾のように見えることから、ローズカットと呼ばれています。
ローズカットは、16世紀頃にヨーロッパで発明され、18世紀まで広く用いられていました。当時のダイヤモンドは、原石の輝きを最大限に引き出すために、ローズカットで研磨されることが多かったようです。カット面が少なく、研磨に高度な技術を必要としないため、ダイヤモンド以外の宝石にもよく使われていました。
ローズカットの宝石は、他のカットと比べて柔らかく、温かみのある輝きが特徴です。現代では、アンティークジュエリーや、個性的なデザインのジュエリーに用いられることが多く、その独特の美しさは、今も多くの人々を魅了し続けています。