ダイヤモンドの輝きに隠された秘密:キューレット
ダイヤモンドといえば、そのまばゆいばかりの輝きが魅力です。多くの人は、熟練の職人によって施されたカット技術によって、あの美しい輝きが生み出されると考えがちです。しかし、ダイヤモンドの輝きは、カット技術だけでなく、石の奥深くに隠された秘密にも関係しているのです。ダイヤモンドの最下部、「パビリオン」と呼ばれる円錐形の底面の頂点に、その秘密は隠されています。それは、「キューレット」と呼ばれるごく小さな面のことです。キューレットは、肉眼ではほとんど確認できないほど小さな面ですが、ダイヤモンドの輝きに大きな影響を与えています。ダイヤモンドに入射した光は、複雑なカット面で反射を繰り返しながら輝きを生み出します。この時、キューレットがない、あるいは小さすぎる場合、光はダイヤモンドの底面から外部へ逃げてしまい、輝きが失われてしまいます。逆に、キューレットが大きすぎると、光が底面で吸収され、暗く濁った印象を与えてしまいます。キューレットは、ダイヤモンドの耐久性にも関わっています。ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質として知られていますが、一点に強い衝撃が加わると、割れてしまうことがあります。キューレットは、まさにダイヤモンドの最下部に位置するため、衝撃から石を守る役割も担っています。キューレットがない、あるいは小さすぎるダイヤモンドは、衝撃によって容易に破損してしまう可能性があります。このように、小さく目立たないキューレットですが、ダイヤモンドの輝きと耐久性を左右する重要な要素なのです。ダイヤモンドを選ぶ際には、カット技術だけでなく、キューレットにも注目することで、より一層その輝きを楽しむことができるでしょう。