シャンルベ

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技法

シャンルヴェ:古代から伝わるエナメル装飾の技法

- シャンルヴェとは シャンルヴェは、金属の表面に精巧な装飾を施す、伝統的なエナメル技法のひとつです。その歴史は古く、紀元前3世紀頃にまで遡るとされています。金や銀などの金属表面に、緻密な彫刻を施し、そこに色とりどりのエナメルやガラス質の釉薬を埋め込んでいくことで、絵画とは異なる、奥行きと輝きを持つ装飾を生み出します。 シャンルヴェの制作は、まず金属の表面にデザインを描き、その線に沿って細い溝を彫り込むことから始まります。この溝は、エナメル質の釉薬を流し込むための型となります。溝の深さや幅、形状を調整することで、仕上がりの色彩や陰影に微妙な変化を加えることができます。 次に、彫り込んだ溝に、顔料を混ぜたエナメル質の釉薬を丁寧に流し込みます。この工程は、まるで金属に色鮮やかな絵の具を塗っていくかのようです。エナメルが完全に乾いたら、表面を研磨して滑らかに仕上げます。 こうして完成したシャンルヴェの作品は、金属の輝きとエナメルの鮮やかな色彩が織りなす、華やかで重厚感のある美しさを放ちます。古代から現代に至るまで、宝飾品や美術工芸品、宗教的な儀式に用いられる器など、様々なものに用いられ、多くの人々を魅了し続けています。