
失われたワックス、永遠の形
- 古代からの技法
「失われた蝋」を意味するフランス語の言葉、シール・ペルデュ。
この言葉が指し示すのは、幾千年もの時を超えて受け継がれてきた鋳造技法のことです。
その歴史は古く、古代エジプトやメソポタミア文明ですでにその技術が用いられていたという記録が残っています。
現代においても、この古代の技法は、宝飾品や彫刻、工業製品など、様々な分野で幅広く活用されています。
シール・ペルデュが長きに渡って愛され続ける理由は、複雑な形状や繊細な模様を、高い精度で再現できる点にあります。
まず原型を蝋で作り、その周りを鋳型材で覆って型を取ります。
その後、型を加熱して中の蝋を溶かし出して空洞を作り、そこに溶かした金属を流し込んで固めます。
こうして、蝋で作った原型と寸分違わぬ金属製品が生み出されるのです。
このように、シール・ペルデュは、古代の叡智と現代の技術が融合した、他に類を見ない鋳造技法と言えるでしょう。
時代を超えて受け継がれてきたその価値は、これからも色褪せることなく、様々な分野で人々の創造力を支え続けるでしょう。