Bakelite

記事数:(2)

その他

カタリン – 輝き続ける20世紀の宝石

- カタリンとはカタリンは、1927年に開発された初期のフェノール樹脂に付けられた名称です。その美しさから、様々な製品に広く用いられました。特に、鮮やかな色合いを持つ宝石の素材として人気を博し、当時の流行を彩りました。カタリンは、ベークライトに似た素材でありながら、異なる製造工程を経て作られます。ベークライトを含む一般的なフェノール樹脂は一度の加熱工程で完成させることができますが、カタリンは二段階の工程を踏む必要があります。最初に低温で加熱した後、型に入れて再び高温で加熱することで、美しい光沢と硬度を持つカタリンが出来上がります。また、カタリンはおがくずやカーボンブラックなどの充填剤を含まないことも大きな特徴です。そのため、ベークライトと比べて透明度が高く、色の染料が美しく発色します。この特徴が、カタリンが宝石の素材として愛された理由の一つと言えるでしょう。今日では、カタリンは製造されていません。しかし、その美しさは今もなお多くの人を魅了し、アンティーク市場では高値で取引されています。カタリン製品は、当時の職人たちの技術と情熱が込められた、貴重な歴史の証人と言えるでしょう。
その他

ベークライト:不況を彩った宝石

- 革新的な合成素材の誕生1909年、レオ・ベークランドという人物によって、世界を変えるひとつの発明がなされました。それは「ベークライト」と名付けられた、全く新しい合成素材でした。ベークライトは熱硬化性樹脂の一種で、熱を加えて成形すると、その後は再び溶かすことができないという性質を持っていました。この画期的な性質こそが、ベークライトを特別な存在にしたのです。それまでの素材の多くは、熱を加えると柔らかくなり、冷やすと再び固まるという性質を持っていました。しかし、ベークライトは一度成形されると、その形を永遠に保ち続けることができたのです。この特性は、様々な分野で革新をもたらしました。ベークライトは、当初、その絶縁性と耐熱性の高さから、電気部品や電話機といった工業製品に広く利用されるようになりました。当時、電気は人々の生活を変えつつあり、ベークライトはまさにその時代の要請に応える素材だったのです。さらに、ベークライトは加工のしやすさにも優れており、複雑な形状の製品も容易に作ることができました。こうして、ベークライトは瞬く間に世界中に広まり、20世紀初頭の工業界を支える重要な素材として、その名を轟かせたのでした。