
宝石の輝きを左右する「対称性」
宝石の美しさを際立たせるためには、カットという作業が欠かせません。原石に光を取り込み、その輝きを最大限に引き出すには、熟練の職人による高度な技術が必要です。カットの中でも特に重要な要素の一つに「対称性」があります。宝石の輝きは、光の反射によって生まれます。対称性が良い宝石は、光が均一に反射するため、まばゆいばかりの輝きを放ちます。逆に、対称性が悪い宝石は、光が乱反射するため、輝きが鈍く、美しさが半減してしまいます。
宝石の対称性とは、ファセットと呼ばれるカットされた面とその配置の均一性を指します。理想的な対称性を持つ宝石は、まるで鏡に映したように、左右上下、どの角度から見ても同じ形をしています。ファセットの一つ一つが同じ形、同じ大きさで、正確に配置されていることで、光が最も美しく反射するように設計されています。対称性の評価は、専門家によって厳密に行われ、カットの等級を決める上で重要な要素となります。対称性が良い宝石は、希少価値が高く、高値で取引されます。